【読書感想文】触発 警視庁捜査一課・碓氷弘一(今野敏)

 

警視庁捜査一課・碓氷弘一シリーズの「触発」を読んだ。

 

朝のラッシュ時間に地下鉄駅で爆弾テロが発生。
捜査中に第二の爆破予告が届き、事件は連続爆破テロとなっていく。

 

タイトルにもなっているし碓氷が主人公なのだと思うが、なんかパッとしない男。
中年太りで頭は薄くなっているらしい。刑事としての誇りというか意地のようなものは持っているみたいだが、それよりも警察内での自分の立場を守ること考えていたりする。

どちらかというと自衛官二人組の和也と横井の方がカッコいい。
自衛隊が登場したときは、独自に事件に関わっていくのかと思ったが、警察に出向となり一緒に捜査することになった。

警察と自衛隊が手を組んでテロに立ち向かうというのは、なんというか仮面ライダースーパー戦隊のコラボみたいな感じでちょっとテンションが上がった。

 

物語は警察側と犯人側が並行して描かれており、最初から爆弾の犯人がわかっている状態で進んでいく。
大学の教授と助教授のやり取りも面白かった。テロが起こっても日本の一般人の生活は何も変わらない、というのが印象的。社会科学の実験って大規模なんだなー。
戸上は安いアパートに住んで余裕のない生活してるはずなのにまとまったお金が用意できたり、ちょいちょいメールを気にしてたのはこういうことだったんだな。

 

和也と横井はいいコンビだし、最初は気に入らない様子だった碓氷とも捜査を通して信頼関係ができていく。定番だけどやっぱりこういうのはいいね。
終盤は良い感じに盛り上がっていたが、解決は少しあっさりというか突然終わったように感じた。戸上はあっさり捕まるし、爆弾もスムーズに解体されたし。

全体としてはとても面白かった。