【読書感想文】巨人たちの星(ジェイムズ・P・ホーガン)

 

「巨人たちの星」を読んだ。
チャーリーの発見から始まったルナリアンとガニメアンのストーリーに決着がついた。

 

謎の第三勢力、陰謀渦巻く国連代表団などサスペンス風の雰囲気でドキドキしながら読み進めた。
ジェブレニーズがうまく"嫌なやつら"として描かれていたので、テューリアンと地球人が協力してジェブレニーズを打倒したところはスカッとした。
地球人・テューリアンとジェブレニーズの戦いはまさに超技術のぶつかり合う星間戦争なのだが、ミサイルの打ち合いではなく最初から最後まで情報戦だった。

 

ジェブレニーズは古代から地球に影から影響を与え、時には文明の発展を邪魔し、時には発展を進め、自分たちに都合のいいように操っていたらしい。
たぶん円安とか物価高とかも全部こいつらのせいだな。

 

ブローヒリオはジェブレニーズの首相という地位にありながら揺さぶりに弱すぎ。
地球について嘘の報告をしていたことがバレてうろたえて、地球人が武装して攻めてくるという偽の情報をジェベックスから報告されてうろたえて、破壊したはずのシャピアロン号が近づいて来るのをみてうろたえて。
交渉のあった他国といえば、その生態から嘘や偽りを知らないテューリアンだけだったのだから駆け引きの手腕は育たなかったのか?
それにしてもジェブレニーズ内で敵対する政治家とかはいたのではないかと思うが。
これなら日本の政治家の方がうまく立ち回りそうだと思った。

 

終盤でガニメアンのガルースは地球人のことを以下のように評する。
「今しがたの危険も、未知の危険も、彼らはまるで気にしない。そうして、あのように冗談を飛ばし合って笑い興ずることだろう。地球人は常に何かに挑み、失敗しても笑って忘れ、すぐにまた試みる。最後には、きっと目的を達するのだ。」

ガニメアンが思うような地球人のように、強くたくましく生きていきたいと思う。